荒川を超えろ(第一回)

荒川を超えろ(第一回)

2025.10.17

 我々埼玉大学の学生と、東京の大学生にはいったいどれだけの情報格差があるのだろうか。埼玉と東京とを隔てる「あの川」の向こうには我々が知らない世界が存在した。見えるもの、知り合う人、コミュニケーション能力、そしてそれらが影響する就活や人生について、就活支援をするOBに聞く。そうだ、あの川の向こうにいる人々を知ることによって、はじめて社会の中の自分自身の立ち位置、良いところ、苦手なところが明確になってくるのだ。彼らを知ろう。私たちを知ろう。

インタビューはこの人!

 今回は連載の初回として髙木さんに来ていただきました!髙木さんは埼大教養学部の2018年の卒業生で「就活ゼミ」という埼大生の進路支援団体を運営しており、埼大生向けにES添削、面接練習、業界分析などのサポートを提供してくださっています。

埼大にいた時は、ダンス部・ミュージカルサークル「桃犬」に所属し、休学してダンスカンパニー(ダンスの劇団)の研修生としても活動され、なんと7年間も在学した埼大が好きな先輩です!現在は都内でM&Aアドバイザーとして活躍されています。

今回から連載スタートです!

今回は私「ひよこ」が髙木さんにインタビューしていきます!

ひよこ「今回の連載テーマ「荒川を超えろ」にはどんな意図が込められていますか?」

髙木さん「埼大は入試のレベルも決して低い訳ではなくポテンシャルが高い人も多いし、都心からもそれほど遠くないはずなのに都心の他大学との「情報の差」によってチャンスを逃している人が多いと感じています。都心に近いはずなのに他大学との差を生んでいる壁のようなものの象徴を荒川に込めました。入学時はみんな同じ大学1年生で、埼玉と東京との間には荒川しかないはずなのに、なぜ大学4年間も経つとこんなに隔たりが生まれるのか不思議ですし、とてももったいないと思っています。始まりはまず荒川を超えて外の世界を見てみようよ、という思いです。、その中で埼大生が卒業後も荒川の外で輝いていくためにどうしたらいいのか、そして荒川を越えるととどんな良いことがあるのか埼大生にもっと知ってほしいと思って企画を立てました。「荒川を超えろ」を読んで就活をはじめとした卒業後の進路だけでなく、人生における大学生活ついてを考えるきっかけにして欲しいと思っています。」

埼大生の就活の課題

ひよこ「よろしくお願いします。埼大生と都心の学生との違いはどこから生まれているのでしょうか?」

髙木さん「まずは東京の大学の立地です。東京の大学同士は、インカレサークルやバイトにインターンなど他の大学の学生や社会人とのつながりを持ちやすいです。次に国立と私立の大学のサポートの差です。私立の大学だと社員訪問(働いている卒業生の話を聞くこと)をしやすいように大学側が制度を整えていたり、企業説明会を誘致したりと就活に力を入れていることが多いです。

でも埼大はそうじゃない。地理的にも「荒川」が横たわっているし、つながりが少ないから初対面で人と話す経験が乏しくて面接で苦戦しやすかったり、卒業生やに直接話を聞く機会が得られずネット検索での情報に頼りがちなところがあります。内定者や働いている人の生の声を聞く事は就活において大切ですし、自然と初対面の人とのコミュ力も鍛えられます。こうした立地と大学のサポートとが都内の大学生と差がつきやすい理由になります。埼大生はポテンシャルを発揮できていない人が多くてもったいないと感じています。」

ひよこ「では、埼大生はどうしたらいいのでしょうか?」

荒川を超える意味

髙木さん「ここで大事なのが「荒川を超える」ことなんです。私が就活の時に意識したのは、埼大周辺の世界だけで完結しないようにすることです。東京の学生と交流したり、インターンに挑戦したり。物理的に東京に行くのはもちろんオンラインで繋がる事も「荒川を越える」ことに含まれます。電車賃をケチっている場合ではありません。
例えば
・インターンに行く
・東京の学生と交流する
・社員訪問で社会人と触れる
などがありますね。別のコミュニティで埼大とは違う文化を持った人と関われば、自分自身を伝えないといけないので自分のことを言葉にして伝える力が上がります。初対面の「はじめましての人」に信頼してもらう能力がアップすると、就活でも面接の通過率が変わります。普段の埼大の中の生活でも積極的になれるかもしれません。埼大生には、ぜひ「学校、バイト、部活」といった、いつもの生活以外の活動をしてほしいですね。」

ひよこ「埼大には埼玉で就職したいという人も多いですが、そういった人にとっても“荒川を超える”メリットはあるのでしょうか?」

髙木さん「もちろんあります。荒川を越えると、自分たちのことがよくわかるんです。ずっと埼玉で生きていくとしても就職をしたら、外部との接触の連続ですから。様々な人とコミュニケーションを取れる社会人になって欲しいです。荒川の外に出ることで『俺たちには俺たちの良さがあるんだ』と気づける事もあると思うんですよ。」

実際に荒川を超えてみて

ひよこ「髙木さんは、いつ埼大生と東京の大学生の違いに気づいたのですか?」

髙木さん「就活のときですね。両親とも地方の大学出身でかつ公務員で閉鎖的でしたし、大学生活も部活に打ち込んでいて埼大の中でもさらに環境的に閉じていたので、初めて東京の学生や社会人と話したときは衝撃でした。例えばもう8年以上前の話ですが、「え、さいたまから来たの?よく来たね。」なんて言う人もいて埼玉と東京との距離を感じました」

ひよこ「う〜〜ん、東京とは近いようで遠いものですね。他に就活で得たものはありますか?」

髙木さん「社員訪問を重ねるなかで初対面の人に信頼してもらう力や、スケジュール調整、報連相といった基本的な社会人スキルを学べました。就活は単なる試験ではなく、「人生を考える時間そのもの」なんだと実感じましたね。情報に触れることを怖がらず、一歩を踏み出すことが大事だと思います。」

後輩へのメッセージ

最後に、これから就活を迎える後輩たちへのアドバイスを伺いました。

・人に頼ることを怖がらないで
 誰かの後押しを待っている人がいたら、まずは「やってみようよ」と背中を押したいですね。寄り添いが必要なら「できるよ」と声をかけたい。まずはサークルやゼミの先輩など、身近な先輩に話を聞いてみることから始めてほしいです。

・インターンは埼大生の勝ち筋
 面接の第一印象では、言葉慣れしている私大の学生より不利なこともあります。でも実際に働きを評価してもらえば、埼大生は本当に強い。だからこそ面接一発勝負ではなくてインターンで多面的に力を発揮してアピールして欲しいですね。

・埼大生の特徴と強み
 埼大生の強みは「素直さ」「他者貢献欲求」「探究心」です。
 埼大生は、素直で人に期待されると応えたくなる人が多いです。そして、最後まで考え抜く力がある。荒川を超えて活動して、自分たち以外の世界を知ることで、強みを積極的に生かしてはどうでしょうか。

・仕事は楽しい
 私も学生時代に“働きたくない”と思っていた時期もありました。でも1社目で成果が出て、期待してくれるお客さんに応えていくうちに、仕事がどんどん楽しくなって、最終的にダンスに打ち込んだときと同じくらい、仕事に夢中になれました。世の中に溢れる仕事に対するネガティブな情報は自分ごととして仕事を選ばず、流されてしまった人の末路に過ぎません。自分の興味に沿って能動的に仕事を決めたのなら、仕事は楽しいものになりますよ!

就活ゼミについて

「就活ゼミ」では、埼大生に向けて就活サポートを行っています。選考対策だけでなくインターン選びのアドバイスも受けられます。

サポート内容:就活の始め方、業界研究、企業研究、自己分析、ES添削、面接練習、社員訪問

対象:全学部・全学年・院生も歓迎

来てほしい人:
・周りに一緒に就活する人がいなくて孤独に進めている人
・やり方が分からず、ネットの情報だけに頼ってしまっている人
・ブラック企業に行きたくない人、ホワイト企業の見つけ方
・公務員試験や学業、研究と両立させたい人
・内定実績が無いような倍率が高い企業に挑戦したい人
・留年、休学、起業しようか迷っている人

などなど。述べ200人以上の相談を受けているので何でもお答えできる自信があります。

就活ゼミInstagram:https://www.instagram.com/syukatsusemi/

埼大住民へようこそ